最終更新: berlin_charlotte 2024年05月01日(水) 16:40:19履歴
<第十一節>
テキトー。そう、テキトーだった。
最初の掛け違いはどこだっただろうか。。。
大学院を卒業して、科学コミュニケーションの仕事をしていたプリンツオイゲンは、一年ぐらいで辞めて、
そのお給料を学費に充て、教員免許を取ろうと志した。
わけだが・・・
プリンツ「どこの大学に行くべきだろうか・・・」
いまさら言っている。
岡山。でもいい、教員免許を取るだけなら手堅いだろう。
下見に行った時に、気候も良かった。地中海風の陽気な感じがあった。
ちょっと田舎っぽいけど何年か過ごして、故郷に帰ってつつがなく引退まで教師でもやって・・・(ry
プリンツ「何でここにいるんだろうな・・・」
なのに今立っているのは、神戸。
この先の運命を暗示するような暗雲が垂れ込め(←偶然そういう日だった)、どよーんとした気分の中で、合格手続きをしに事務に行った。
なんかヤバくないか?この未来への路線。この大学。(←女の直感)
いや、同じ県で人脈が役に立つからと誰かに言われて、おおそうかと思って変えた。ような気がする。
人脈。人脈。。。
【脚注.今の段階では絶対わからないが、たぶん岡山では人脈は無いに等しいだろうと思う。ガルンパスト魔女でご当地とかゴリ押しできたのだろうか・・・?】
あったかもしれない未来の選択肢を忘れながら、ひとしきり大学の中を見て歩く。
理学部、教養学部、法学部、そして教育学部・・・
キャンパスは4つに分かれていて、なかなか斜面がしんどい。
そのとき何かの出会いを、期待していたのかもしれない。
新入生の茶話会というのをやっていて、ちょっと気まぐれに参加してみる気になった。
ちなみにオイゲンちゃんは編入だ。一年生ではないのだけど、そこはまあいいや。みたいな。
たまたま、そう。たまたま道を外れて、歩いてみた。
―――――――――――――――――――――――――――
茶話会は、学生風に賑やかだった。
ちょっとおオシャレな学生食堂の近くの道を借り切って、学生でわいわいがやがや。
にぎわっていた。
プリンツ「あっ、ちょっとごめんなさーい」
人と人との距離が近い。酔っ払ってぶつからないようにしなくては。。。
茶話会なのにお酒が出るのか。よくわからない。
運営は生徒会?自治会?
何かそういうお祭り担当の人たちがあって、もりあげていた。
オイゲンちゃんは、人通りの中心から少し距離を置き、テラスのテーブルに掛けながら、
おつまみを口に放り込みつつ、ディスポのコップでビールを飲んでいた。
ま、誰と話すこともない。このまま去(ry
「ぎゃあああああ」
ごぐしゃぁ。
サイアクなヤシがあったものだ。皿を4枚持ち、ビールのジョッキ(なぜジョッキがあるのか)を3つ抱えた女が、
すっ転んで、辺りに物をぶち撒いていた。ガシャーン。
きゃーーー。
叫びがこだまする。
プリンツ「ちょっとちょっと」
派手だな。神戸っ子か。
プリンツ「だ、大丈夫?」
なんか、あまりにも空気が緩いので、ついつい話し掛けてしまう。普段そんなことしないのに。
?「うう、面目ない・・・」
金髪で、ショートボブ、ちょっとアホの子っぽい、その女は。
別にどうということもない、何かを・・・
持ち合わせていなかった。気がする。
食堂の人が出て来て、後片付けを始めた。隙に、
そそくさと逃亡を図った。
わたしも帰るか。知り合いだと思われたら、巻き添えで怒られるかもしれないからな!
(おしまい)
<第十節>
慧音「わたしの幻想天皇計画を語るコーナー。」
妹紅「・・・。聞き飽きたからもう語らなくていいよ。」
慧音「先ず最初にピラミッドだ。」
袿姫(おお、界隈唯一のエジプトネタ・・・)
慧音「それから、エフェメラっていうヤシがいた。」
磨弓(ナマモノネタ禁止です。)
慧音「武と烈を唱える輩が増え、それが先ず幻想天皇のクライシスだ。」
袿姫(酷い時代だったね。)
慧音「お前じゃ!
それからサムライという連中だ。これも幻想天皇のクライシスだった。下手をしたら天皇体制が終わるところだった!」
袿姫(明羅とかかな・・・)
慧音「そして、京都での貴族体制の崩壊。これがよくなかった。もう後やる気が無い。」
袿姫(だから一人で禁裏を維持するのは無理だって。)
慧音「最後にGHQだ!!お前たち全員でつるんで潰しに掛かって来た!!111!!!」
磨弓(火出づる国の天子が、最後何となくできてよかったじゃないですか。)
慧音「それで妹紅と二人で秘密結社を作って、幻想郷を転覆し、幻想天皇妹紅陛下にお任せする蜂起が。」
袿姫(そう言えば、昨日2・26事件だったね。)
磨弓(お任せされた方困りますよ。)
慧音「無限リザレクションがある!」
妹紅「わーたしーはひーとりー。だーれもたーすけーてくれーなーいのー♪」
歌を歌いました。
(おしまい)
<第九節>
妹紅「おはよ〜。慧音さん。今日の授業は何かな?」
慧音「たはは・・・。わたしは君の先生になった記憶はないのだけどな・・・」
昔々、平安の都ができる前の、都。
平城京という街があった。
街外れの、庵。
そこに慧音は暮らしていた。
出会いはどうだったか、記憶も定かではない。
いつの頃からか、庵の傍に居た。結界が張ってあったはずなのだが・・・。高貴な、血筋の特性だな。。。
妹紅「今日は何してんの?」
慧音「今日はお祭りの日だろう。わたしも祀りをしていてね。」
妹紅「お祭りか〜。」
庭には簡素な木製の祭壇が作られていて、供え物が設置されていた。
妹紅「でも誰も見てないのに、一人で祭り?」
慧音「そうだな。そういうものではないか・・・」
ボッ。突然ろうそくが燃え出した。
前後、左右。八芒星の形に8個配置されたろうそく。
ざ・・・ざざざ・・・
頭の中に声が聞こえる。昼間なのに夜のような暗闇を感じる。そして、女が、 頭 の 中 に 見 え る ?
袿姫(ああ、ごきげんよう。調子はどうかな?)
慧音「何事も変わらず。結び目の管理は順調だ。」
袿姫(そちらの少女は?何だか、 見 た 顔 だ ね 。)
慧音「今日はそれを頼みたい。どれぐらい(ry」
袿姫(血筋を引いているか。そうだねぇ・・・。
磨弓ちゃーん。測定機どこやったっけ。ちょっと持って来て〜。)
慧音「その辺にあるものなのか・・・💧」
袿姫(簡素なものは、どこにでもある。)
磨弓(ははぁ・・・、これは。)
袿姫(どれぐらいだと思う?)
磨弓(まあこんなものじゃないかなと思いますけどね。)
袿姫(測ってみよっか。)
妹紅「・・・」
何を、言ってるんだろうか。
御所での、会話に似ている・・・。嫌な・・・、感じだ。
でも、それを誇りに思うところもある。わたしは、
袿姫(お嬢さん。お名前は?)
妹紅「・・・。外では濫りに言うことはできない。」
袿姫(まあそれでもいい。
名前は無し。測定開始。)
頭の中に、数字が一杯見える。0と1の洪水。明滅する幾何学模様。一秒で十回も変わる。
光る文章が、凄い速度で上に流れて行く。
知らない人の顔が、次々に浮かんで。
ピッピッピッピッピッピッ・・・。
なんだ・・・?笛の音のような、甲高い・・・?
袿姫(それまで。)
慧音「どうだ。これなら、幻想天皇と言えるんじゃないかな?
お前たちが放棄した後の、禁裏を担って来たと称するに相応しい。」
磨弓(どうですかね・・・。
わたしはそこまでする必要はないと思いますよ。どうせ変わるし。)
袿姫(まあ、そうかな?という気もするし、
でも、このままではダメだろうね。純狐の計画ともバッティングする。問題が・・・)
慧音「何としてでも、計画に間に合わせたい。
磨弓(わたしは不吉な感じがしますね。後追いにはコピーガードが来るはず。)
袿姫(う〜ん・・・)
頭越しでかわされる、おかしな話。
袿姫(そうだね。では、次の十六夜の早朝。ある所に来てほしい。)
妹紅「どっち?」
袿姫(どっちでもいいよ。お前がそう思った時、時空は繋がる。
なよたけの、かぐや姫。その物語の始まりだ。)
(おしまい)
<第八節>
華扇「はろろーん。お二人さん。」
霊夢「あっ、鬼が来た。」
魔理沙「ぶふぅ。(←茶を吹く音)」
霊夢「きたないなぁ。」
魔理沙「なんか、なんか、デリカシーとムードというものを。」
華扇「乙女心は秋の空。人の心なんかわからないものよ。」
魔理沙「こいつらのこの感覚が全然わからんのぜ。敵だろ。敵敵!!」
華扇「魔理沙ちゃんは中二でちゅね〜www」
魔理沙「怒りィ!!」
・・・
怒りィ!!はこちらだ。
埴安神は何を考えている。 な ん だ こ の 世 界 。
霊夢は死んだ。わたしたちが殺した。
今更何を未練がましくやっているのか。
霊夢はわたしたちと共にあるはずだった。 そ し て 、順当に力の差を目の当たりにして、最後には崩れて終わる。いつもそう。
その繰り返しで何がいけない。
サイコロジーというものをわたしは信じない。紫がうまく計算したようだけれども、どこかで歪みが発生する。
・・・。
わたしは、愛着と憎悪の混ざった眼を向けて来る霊夢の心臓を抉り取るのが好きだった。
それが人間。
そ れ が 妖 怪 だ 。
偽物の心を作って、偽物の関係を作って、誰も見えやしないからいいだろう。
見えるわ!!
そんなこと容認できない。
わたしは、最初を覚えている。
嫌というほどの平和。何も起こらない永遠の時代。
十分に見た。脱皮すべきだ。
埴安神も紫も、忘れてしまった。 切 り 捨 て て し ま っ た その感覚を。
人間は、自然でなければならない。
華扇「じゃ、茨歌仙のナチュラルメイク講座。始めるわよ。」
霊夢「よっしゃ来いやー。」
魔理沙「わたしも見てやる。」
これも偽物の顔だ。誰も気付かなかった。くっそー。
これじゃわたしが変みたいじゃないか。わたしは正しいんだぞ。
華扇「霊夢、魔理沙、あなたたちは全てを思い出していいのです。この世に生を受けてから今までに起こった全ての出来事を。」
(おしまい)
<第七節>
魔理沙「絶対やばいと思うんだぜ。」
霊夢「なにがよ。」
魔理沙「あいつらだ。紫も、幽々子も、永琳も!!」
霊夢「・・・。」
魔理沙「人間を片付けようとしている!!」
霊夢「そんなことはないわよ。」
魔理沙「じゃ、なんでお前は異変解決に行くんだ?人間を(ry」
霊夢「わたしはね。妖怪を倒さなきゃいけないの。」
魔理沙「???」
霊夢「人間のことはわからない。でも妖怪を倒さなきゃいけない。」
魔理沙「???意味が分からないのぜ。普段飲み会で一緒だろう。だって、」
霊夢「それで、あいつらの技を盗むのよ。だって、 わ た し は 妖 怪 を 倒 さ な き ゃ い け な い 。」
・・・。
魔理沙は沈黙した。
そう。だっただろうか?
昨日の飲み会でも霊夢は鍵山雛とじゃれ合っていた。あんたの厄を溜め込んでやる!!そう言って、うぉおおおお、みたいな。
そのとき、霊夢は。
愉快そうに笑っていた。そこには邪気のない子供のような、感じがあった。
それが、こんな歪んだイデオロギーの賜物だったのか?
魔理沙「いつから、お前はそうだったんだ?」
霊夢「わからない。初めからじゃない?」
魔理沙「なんの、切っ掛けで・・・」
霊夢「覚えてない」
魔理沙「何の意味があるんじゃー!!」
霊夢「知らんわ!!」
・・・
わたしにはわからない。
なんで、紫がこんなものを仕込んだのか。
でも、そう、、、力の差に挫けそうになった時に、「妖怪を倒さなければならない」という着想は、
わたしを楽にしてくれる。
無限の努力をいとも簡単に実行してくれる。
そして、自動でわたしを連れて行ってくれる。 在 る べ き 場 所 に 。
偶然、疲れていただけ。
偶然、気分が乗らなかっただけ。
偶然、気が変わっただけ。
でも、本来のわたしの挙動を自動的に・・・。
わたしは、穏やかに、冷静にその挙動に身を揺蕩わせていればいいだけ。
それは、本当は、わたしはもう死んでるんだなって思わせるものだった。
(おしまい)
<第六節>
紫「答え合わせをしましょう。」
メリーは博麗神社で蓮子が来るのを待っていた。きっと遅刻して来るのだろう。
答え合わせか・・・。そういうの申し合わせって言うんじゃなかったっけ・・・。
紫「あなたの生まれは?」
じゃあ、わからない。気付いたらここにいた。
紫「あなたの両親は?」
わからない。顔が浮かばない。
紫「あなたの学費は?」
踏み倒せる系の奨学金とかで何とかなっている。
論文は出している。特に問題はない。
紫「あなたの進路は?」
わからない。どこかに・・・。
蓮子「メリー!!」
メリーは物思いから覚め、蓮子を見やった。
メリー「蓮子、時計、見たことある?
2分19秒遅刻よ。」
わたしは、いつしかこの八雲紫というイマジナリーフレンドを気に入ってしまった。
その甘言に乗って、振り回された結果がこれだ。
実態の無い製薬カルテル。
ペーパーカンパニーですらなかった、机上の空論。
それが、様々な人々を惹き付けた。
わたしは・・・。
蓮子「面接!!してもらっていいかな!?」
代表取締役だった・・・。
(おしまい)
<第五節>
「プロージット!!」
京大の新歓でそういう音頭を取ってはしゃいでいた留学生と、
蓮子は今二人でバスを待っている。
新歓はなかなか楽しかった。
メリー「わたしはねぇ。ハーンの怪談じゃない側面に光を当てた研究がしたくて(ry」
蓮子「おお、ハーン繋がりか。やるじゃん!!どこだって言ってたっけ。キプロス?」←酒を飲みすぎて胡乱
メリー「本当は物理学科に行けって言われてたんだけど、絶対イヤだから(ry」
蓮子「わたしは物理学科よ!!喧嘩売ってんの!?」
メリー「そーりーそーりーwwwアハハwww」
大学のことを何も知らない、わけのわからない学生のノリ。今から思い起こせばと述懐するときもあるのかもしれない。
わたしの人生は今一番光り輝いている!!
メリー「でも、バス来ないわねぇ・・・」
蓮子「歩くか!!www」
メリー「イェーイwww」
歩いて駅まで行くことになった。遠いよ!!
実はまだ引っ越しが終わってない。
高校までで培って来た学術っぽい蘊蓄をなんのかんのとだべりまくり、
それにはもちろん意味なんかないんだけど、でも、
なんちゃって学術だって、学生の特権じゃん!?
気分は将来の教授になっている蓮子さんであった。
外国からの教授仲間のお客さんと飲んで歩いて・・・、おっとっと、今はまだ留学生と学生の身分だ気を付けなければ。。。(←酔っ払い)
メリー「いや〜、しかし日本の入試は難しいって聞いてたけど、お互いよく受かったわねぇwww」
蓮子「そうだよね〜。後は遊びたお」
メリー「ここからなのよね!!」
蓮子「ヒギィ」
向学心溢れすぎだろメリーさん。これが向こうの普通なのか!?
・・・
午前三時。道に迷った。
今どこ状態。人いない。(※GPS付スマホはまだ普及していなかった)
目の前に神社の鳥居がある。
メリー「・・・やってしまったわね」
蓮子「やっちまった。わからん。ここはどこだ」
メリー「この階段を上って、境内から京都の街を見たら、大体の位置ぐらいは」
蓮子「それだー」
ぐにゃり
何かが曲がった気配がした。
博麗・・・神社。
回想録を出版するから覚えとかなきゃな・・・。どこか、そう思った蓮子であった。
・・・
(予告編)
最初に出会ったきりで、地図のどこにも存在しなかった博麗神社。
消えたメリー、残されるのはいつもその影。ちょっと前までそこに居た、はずなのに・・・
大学院の最後の夜、また死ぬほど痛飲してさ迷い歩いた結果、蓮子は今再び博麗神社に辿り着いていた。
「蓮子、時計、見たことある?」
「2分19秒遅刻よ」
I.G.ぐちゃぐちゃっと書かれた身分証明書。
妖怪の実在化。
メリー、メリー、メリー、
わたしの知らない顔、わたしの知らないおとぎ話。
目の前に立っていたのは、怪物になってしまったマリーベル・ハーンというドイツ人だった。
(おしまい)
<第四節>
袿姫「酷い。。。」
その目の前には、全部焼き払われ、奪い去られた集落があった。
子どもたちは納屋に押し込められ、硫黄系の毒ガスで息絶えた。
首を搔き切られて死んでいる死体があちこちに転がり、
何も無くなった穀物庫。
ごぉごぉと音を立てて燃えている家。
井戸には便が放り込まれて、もう使えない。
袿姫「・・・。」
随分時間を掛けて歩いて見て回ったが、生きているものは何一つ無かった。
死んだ牛、死んだ馬、死んだ羊に、死んだ山羊。
目を繰りぬかれ、串刺しにされ腸を撒き散らして死んでいる個体もあった。
遊びだろう。(←他人事)
袿姫「・・・もう終わりにしよう。」
(そうは行かない。)
袿姫「・・・。」
(これは鈴谷は良いチャンスだと思う。これを 糧 に 、君はもっと強くなる。)
袿姫「・・・。強くなってみても、何一つ善いことは無かったな。」
(だけど、良いことはあった。これだけ 殺 し て まだ生きている。)
袿姫「・・・。そうだな。」
(鈴谷はね。このことを将来誰にも言ってほしくない。その限りで、永遠の命、永遠の心を約束しよう。
君の心は 今 か ら 何 も 変 わ ら な い 。)
袿姫「・・・そう、例えば 君 も 変わらないようだが、どうなっているのやら。」
(鈴谷は詮索はキライだよ。)
袿姫「・・・、そうだった。」
(まあとにかく、いま鈴谷は 誰 で も な い 。
この人類史には 存 在 し な い と言っても良い。)
袿姫「・・・。そうなるかな。」
(そうなるよwww。ここから先、人類は次第に劣化して行く。鈴谷は現れない。)
袿姫「だが、これより以前にしては。」
(鈴谷は未来的だ。さあどこから話しているでしょうか!!)
袿姫「数ではない数というものを聞いたことがある。」
(そうだねwwwそんなもの残されては困るよ!!)
袿姫「ふむん・・・。」
(話が脱線したね。とにかく思い出す、そして忘れない。
これが 人 間 だ。それ以外の何物でもない。
君の作った小さな小さな国は、いつもこういう破滅を迎える。 い つ も だ 。)
袿姫「わたしは計算した。間違っていなかったはずだ。」
(間違っていたのは前提だよwww
間違った前提から、正しい計算過程をすればするほど、間違った結果を導く。)
袿姫「そうかね。君に貰ったグリーフシードとやらはもう真っ黒だ。
長くはないように見えるが。」
(わかるわかるwww そ こ か ら な ん だ よ ね 。)
憎しみに見える。わたしの中には本来この女に対する憎しみが生まれるはず。
だが、何も思わない。
この小鳥たちの死骸を見ても、何も、思わない。
そっか。これまでか。
(さ、これまで以上に、 鈴 谷 の 言 う 通 り に 。
先ずは鉈持って来よう。ホモサピエンスのもつ鍋だ。腹ごしらえしなきゃね!!)
袿姫「わかったわかった。もうどうでもいいからね。
仰せのままにwww」
HAHAHAHAHAHAHAHAwwwwwwwwwwwwwww
場にはたった一人だけの哄笑がいつまでも、いつまでも、響き渡った。
(おしまい)
<閑話>
三峰「あっつ。」
ここはエジプト。ルクソール。
21世紀、王家の谷の近くに新しい墳墓群が発見されて、
考古学科も無くなっちゃっていたので、それの調査に有志の学生隊が送られた。らしい。(←あまり知らない)
ぶっちゃけ、古代エジプトの遺産にどれだけの意味を持たせるかってわからないのだけど、
今を生きろよ今を。
みたいな学生が多い中で、三峰はなんとなく参加していた。
なんか昔の映画とかでよく出るじゃん。
エジプトの遺跡で悪の恩物が発見されて、悪魔が出て来るとかそういうの。
何 一 つ 出 な い 。
一応ヒエログリフとかは翻訳ソフトで全部読めるので、ただの墓荒らしではないぞたぶん。
土砂を掘るのもドローン任せ。
撮影もドローンがテラバイト単位で撮りまくっている。
何をしに送られたのかよくわからない。故障したら報告してって言われている。それだけ。
考古学者はクーラーの効く部屋から出たくないようだ。
あ〜、それにしても閑だ。暫く休憩でもするか。
・・・
なんか歓声がする。
墳墓の新しい部屋が発見されたらしい。なんか、ヒビが入った漆喰があって、素粒子線で見たら向こうに部屋があったそうだ。
漆喰の封印を割ってみたら。壺が一杯並んでいた。
中には・・・パピルス。放射測定によると年代が新しい。
ローマ時代に作られたものだろうという。なんでこんなところにあるんだ?
エジプト文字のヒエラティックで『6・6・6』と書いてあった。
(おしまい)
<第三節>
飯綱丸「この子です。」
袿姫「ほう・・・。」
その部屋には少女が一人眠っていた。
血塗れの布団、枕元には盥。血の付いたチリ紙。
結核だった。
庭先には墓標が二つ。両親のものだろう。
トン、と射命丸がその墓標の上に降り立つ。重さなど無いかのようだ。
文「この娘が先に逝くかと思っていたら、流行り病で。
先立たれてしまいました。」
藍「病を押して、墓を掘ったのかもしれない?」
紫「さぁ、、、www」
橙「そういうことやっちゃいけないって。」
藍「そうだぞ。橙。」
文「ふふん。そんなことはもういいのです。
見てほしいのは、この、」
袿姫「それは触ったからでは・・・💧」
文「そんなことありません。
以前からでした。」
不可解な、紋様。
飛び散った血が、懐かしい図像を描いている。
自分で書いたものではないだろう。自然にそうなったのだ。
と、射命丸は言っている。
偶然性の偏り。抽象的に表現すると、量子値の異常。
文「何か、知っていますか?」
袿姫「・・・。
そう、だな・・・。」
藍「同じことの繰り返しだ。意味がない。」
橙「藍様、計算が速いです〜。」
紫「そしてもう死にますわ。
延命をする意味もない。 よ く あ る 話 。」
袿姫「・・・。無限の転生の中で、無限に意味の無い生涯を繰り返せ。
そう、言ったような気がするな。
ただ、わたしは、これを狙っているのだろうか。」
藍「狙っていなくても、 狙 っ て い て も 、
同じだ。わたしたちは、これを扱えないと言って捨てた。」
紫「そして、いずれ、潰れて行く。
気の遠くなるような時間の果てに、潰れて行く。」
文「殺してしまうこともできますよ。
ほら、そこに刀がある。」
確かに、床の間に刀がある。使うこともできるのだろう。
袿姫「・・・」
文「おや、お目覚めですね」
−−−
巫女「うぅ、むにゃむにゃ」
文「あっ、目が覚めましたか。
お粥。作ってありますよ。」
異装の少女がそう言う。この一週間ぐらい居ついている。
旅の修験者だそうだ。
何を言ってるのかよくわからないが、神通力はある。なぜなら、
わたしはこの娘が料理をしているところを 見 た 事 が 無 い 。
いつの間にか、粥ができていて、いつの間にか、片付けられている。
問うたら、
文「可能性なのです。そういう、可能性がある。」
???
全然わからない。
文「あなたが作って、忘れているだけかもしれませんよ」
ああ、そういうことか。そうかもしれない。
近頃、記憶が朧気だ。夢なのか現なのか、判然としない。
ここは、砂漠、ではないんだなって思った。
文「そうそう。医者を連れて来ました。」
袿姫「わたしは医者では・・・」
文「 そ ん な こ と は な い 」
巫女「余命。どれぐらいかしらね?」
袿姫「じゃあ、結節の位置と、肺動脈の位置を可視化。
破れたら死ぬとして、まあ一カ月ぐらい。」
文「そういうことは誰も求めてません。」
袿姫「じゃ、何で呼んだのよ?」
文は唐突に少女の手を取った。
訝しむ袿姫。だってそんなことは、
文「永遠に、生きたくありませんか」
巫女「別に・・・」
文「良いでしょう?」
袿姫「普通この年ではあまりそういうこと考えないけどね」
文「前は違った。ものすごくがめつく、永遠に固執していた」
袿姫「そうだったっけ。まあそうだったかもしれないわね」
文「時代なんですよね!!」
袿姫「そうかなぁ・・・」
文「さ、少し庭でも散歩しましょう。
ずっと寝ていると血行が悪くなりますよ」
巫女「ええ、自分で立てるわ」
と言いつつ、巫女はスッと差し出される文の手を取った。
−−−
袿姫「・・・」
文に手を引かれて少しだけ庭を歩いている、少女。
後で考えると、ここまでにしておくべきだったのかもしれない。
ただ、その時は【新しい】と思った。
感覚の外部入力と、可能性に対する斥力。もしかしたら、
紫(人類は新しい一歩を踏み出した)
袿姫「・・・」
紫(先ずはスモールスケールで実験が必要。そう言いたげですわね?)
そうだろうか。そうだろうか。何か間違っては、
紫(あなたに頼みたいのは、他でもありません。
擬態を作ってほしい。)
袿姫「何かあったときのために?」
紫(違います。何もないことを願うために)
袿姫「願いというのは好きではない」
自分が行ったことしか、起きない。あるいは、他の誰かが行ったことしか。
紫(最後の国を作ろうと思います。その名は)
幻想郷。
・・・。これではプログラムの中に生きるようなことだ。
八雲紫はとうとうおかしくなったのか?
紫(神綺の許可はありません。)
袿姫「わたしも許可は出せないね。」
『触れる』から、それが何だというのだろう。
紫(人というのはそれだけで落ち着くものですよ。)
袿姫「そう、だろうか・・・」
エジプトの神殿で壁に向かってがなり立てていた巫女たち。
そういう感覚はもう無いのだろうと思って、あまり気にしたことはなかった。
ただ、もうあれから5000年にもなる
ちょっとは新しいことをしなければ、人型を取っている意味はない。
袿姫「それで?なんだって?」
紫(幾つかの仕様を入れてほしいのです。
一つは、)
妖怪を倒さなければならないという使命感。
八雲紫はそう言った。
(おしまい)
<第二節>
はっ・・・
夢を、見た。
霊夢「・・・。寒い。」
ちょっと障子を開けて外に出てみる。
ぼたん雪がちらちら降っていた。
あいつらは・・・、妖怪は。
どこまでも行こうとする。
時が終わった、世界の果てに。
わたしは、届かない。どうしても、そこまで行ける気がしない。
兆を超えるかぞえ方が、頭に入らない。
だから、憎い。
わたしを、置いて行くことを誰もが計算のうちに入れている。
ねえ、一緒に暮らそう。
ねえ、ずっとここで。
ねえ、どうして。
解からない顔をする。いつものことだ。
袿姫など、露骨に嫌そうな顔をする。
畜生、畜生・・・
なんで・・・
霊夢は一人すすり泣いた。
わたしにも、本当は家族ってあったんだろうにな・・・。
この寒い中、スズメたちは元気に飛んでいる。
家族。なのかな・・・。
(おしまい)
<第一節>
文「霊夢さん?」
神社での飲み会で霊夢がぼーっとしていた。ように見えた。
近頃そういうことが多い。
文「霊夢さん。お〜い。」
目の前で手を振ってみても反応は無い。
勇儀「そっとしとけ。疲れてるんだろう。」
文「・・・。ええ。」
−−−
霊夢には妖怪が見えなくなる時があるようだ。
誰も居ない神社、誰も居ない湖、誰も居ない竹林。
その中で一人ふわふわと飛んでいる。
霊夢「わたし、なんでやって来たんだっけ?」
誰に言うともなく一人で呟いてみる。
誰も、居ない。
そこには、誰も居ない。
自覚は無かった。いつの間にか妖怪が減って行くのがわからないではなかった。
でもそれは、わたしが遠ざけたんだろう。
あるいは、向こうも忙しくなって・・・。
そんな思いが続いていた。
先日の飲み会でも、わいわいという騒めきは幻想のようだった。
微かに、聞こえる。微かに、見える。
でも、それでは酔うことはできない。
だから、うたたねしていた。
わたしは、一人だ。
−−−
<システム・エラー。動作不調です。>
袿姫「わかっとるわ!!」
文「できるとは思わなかったですね。」
勇儀「できても厳しいけどな。」
文「これは、最後ではない。これは。」
袿姫「さいしょ。」
飯綱丸「とは言っても、ここから成型するのですか?」
袿姫「あまり変わらないわよ。人間の女の子ってそういうもの。」
飯綱丸「はいはい、プロフェッサー。その人間観は歪んでいることにいつになったらお気づき遊ばされるのやら。」
袿姫「気付く気など無い!!」
飯綱丸「ホモサピエンスが400万年の時間を掛けて製造した機体を使うから悪い。
初めから、われわれの手で作ればよかった。」
文「でも、それって、
人間って言うんですかね?」
千亦「言うらしいわよ。
市場の反応は好感www」
文「市場・・・💧」
千亦「まあとにかく、これで世界は続く。」
袿姫「そう・・・、あってほしいね。」
百々世「こいつら、倫理というものが無い・・・💧」
−−−
文「あっ、霊夢さん。おーい。」
霊夢「・・・」
見えない。完全に見えも聞こえもしない。
それでも、文は、
その瞬間、
ザァッ、突風が吹いた。
文「ああ、目にゴミが入っちゃった。」
・・・
神社には誰もいなかった。
かき消えた巫女の姿、今まで人が住んでいたとは思えない、ボロボロの神社。
それが、最期だった。
今まで12回繰り返された、巫女の最期。
袿姫【 人 間 は 誰にも必要とされなくなると、量子的な存在確率がゼロになって消えてしまう。それは周辺の建物をも巻き込むことが多い。】
文「・・・。
いえ、気のせいでしたね。
ここは腐朽した神社だ。誰も住めるものではない。たはは・・・。」
夢を、見ていた。
そして今度も間髪入れず、次の夢を見る。
世界はそう動いている。
まだ、歩いて行ける。
われわれは強い。かくあれかしと誰かがそう願ったから。
(おしまい)
テキトー。そう、テキトーだった。
最初の掛け違いはどこだっただろうか。。。
大学院を卒業して、科学コミュニケーションの仕事をしていたプリンツオイゲンは、一年ぐらいで辞めて、
そのお給料を学費に充て、教員免許を取ろうと志した。
わけだが・・・
プリンツ「どこの大学に行くべきだろうか・・・」
いまさら言っている。
岡山。でもいい、教員免許を取るだけなら手堅いだろう。
下見に行った時に、気候も良かった。地中海風の陽気な感じがあった。
ちょっと田舎っぽいけど何年か過ごして、故郷に帰ってつつがなく引退まで教師でもやって・・・(ry
プリンツ「何でここにいるんだろうな・・・」
なのに今立っているのは、神戸。
この先の運命を暗示するような暗雲が垂れ込め(←偶然そういう日だった)、どよーんとした気分の中で、合格手続きをしに事務に行った。
なんかヤバくないか?この未来への路線。この大学。(←女の直感)
いや、同じ県で人脈が役に立つからと誰かに言われて、おおそうかと思って変えた。ような気がする。
人脈。人脈。。。
【脚注.今の段階では絶対わからないが、たぶん岡山では人脈は無いに等しいだろうと思う。ガルンパスト魔女でご当地とかゴリ押しできたのだろうか・・・?】
あったかもしれない未来の選択肢を忘れながら、ひとしきり大学の中を見て歩く。
理学部、教養学部、法学部、そして教育学部・・・
キャンパスは4つに分かれていて、なかなか斜面がしんどい。
そのとき何かの出会いを、期待していたのかもしれない。
新入生の茶話会というのをやっていて、ちょっと気まぐれに参加してみる気になった。
ちなみにオイゲンちゃんは編入だ。一年生ではないのだけど、そこはまあいいや。みたいな。
たまたま、そう。たまたま道を外れて、歩いてみた。
―――――――――――――――――――――――――――
茶話会は、学生風に賑やかだった。
ちょっとおオシャレな学生食堂の近くの道を借り切って、学生でわいわいがやがや。
にぎわっていた。
プリンツ「あっ、ちょっとごめんなさーい」
人と人との距離が近い。酔っ払ってぶつからないようにしなくては。。。
茶話会なのにお酒が出るのか。よくわからない。
運営は生徒会?自治会?
何かそういうお祭り担当の人たちがあって、もりあげていた。
オイゲンちゃんは、人通りの中心から少し距離を置き、テラスのテーブルに掛けながら、
おつまみを口に放り込みつつ、ディスポのコップでビールを飲んでいた。
ま、誰と話すこともない。このまま去(ry
「ぎゃあああああ」
ごぐしゃぁ。
サイアクなヤシがあったものだ。皿を4枚持ち、ビールのジョッキ(なぜジョッキがあるのか)を3つ抱えた女が、
すっ転んで、辺りに物をぶち撒いていた。ガシャーン。
きゃーーー。
叫びがこだまする。
プリンツ「ちょっとちょっと」
派手だな。神戸っ子か。
プリンツ「だ、大丈夫?」
なんか、あまりにも空気が緩いので、ついつい話し掛けてしまう。普段そんなことしないのに。
?「うう、面目ない・・・」
金髪で、ショートボブ、ちょっとアホの子っぽい、その女は。
別にどうということもない、何かを・・・
持ち合わせていなかった。気がする。
食堂の人が出て来て、後片付けを始めた。隙に、
そそくさと逃亡を図った。
わたしも帰るか。知り合いだと思われたら、巻き添えで怒られるかもしれないからな!
(おしまい)
コメント.いや、こういうことはね。無かったんですが、
コメント.大学って意外と出会いがあっても、その後続かないよねという、素朴な感覚を実感してほしかっただけ。
コメント.プロットは別紙にある通りなんですが、どこに転がって行くのだろう・・・
コメント.よそ見運転の本編始まりです!!
<第十節>
慧音「わたしの幻想天皇計画を語るコーナー。」
妹紅「・・・。聞き飽きたからもう語らなくていいよ。」
慧音「先ず最初にピラミッドだ。」
袿姫(おお、界隈唯一のエジプトネタ・・・)
慧音「それから、エフェメラっていうヤシがいた。」
磨弓(ナマモノネタ禁止です。)
慧音「武と烈を唱える輩が増え、それが先ず幻想天皇のクライシスだ。」
袿姫(酷い時代だったね。)
慧音「お前じゃ!
それからサムライという連中だ。これも幻想天皇のクライシスだった。下手をしたら天皇体制が終わるところだった!」
袿姫(明羅とかかな・・・)
慧音「そして、京都での貴族体制の崩壊。これがよくなかった。もう後やる気が無い。」
袿姫(だから一人で禁裏を維持するのは無理だって。)
慧音「最後にGHQだ!!お前たち全員でつるんで潰しに掛かって来た!!111!!!」
磨弓(火出づる国の天子が、最後何となくできてよかったじゃないですか。)
慧音「それで妹紅と二人で秘密結社を作って、幻想郷を転覆し、幻想天皇妹紅陛下にお任せする蜂起が。」
袿姫(そう言えば、昨日2・26事件だったね。)
磨弓(お任せされた方困りますよ。)
慧音「無限リザレクションがある!」
妹紅「わーたしーはひーとりー。だーれもたーすけーてくれーなーいのー♪」
歌を歌いました。
(おしまい)
コメント.で、後宮とかはあるの(わくわく)
コメント.自分で集めて来たらあるよ。
コメント.何の意味もない!!!!!!!!
コメント.だから、慧音の妄執なんだってヴぁ。
<第九節>
妹紅「おはよ〜。慧音さん。今日の授業は何かな?」
慧音「たはは・・・。わたしは君の先生になった記憶はないのだけどな・・・」
昔々、平安の都ができる前の、都。
平城京という街があった。
街外れの、庵。
そこに慧音は暮らしていた。
出会いはどうだったか、記憶も定かではない。
いつの頃からか、庵の傍に居た。結界が張ってあったはずなのだが・・・。高貴な、血筋の特性だな。。。
妹紅「今日は何してんの?」
慧音「今日はお祭りの日だろう。わたしも祀りをしていてね。」
妹紅「お祭りか〜。」
庭には簡素な木製の祭壇が作られていて、供え物が設置されていた。
妹紅「でも誰も見てないのに、一人で祭り?」
慧音「そうだな。そういうものではないか・・・」
ボッ。突然ろうそくが燃え出した。
前後、左右。八芒星の形に8個配置されたろうそく。
ざ・・・ざざざ・・・
頭の中に声が聞こえる。昼間なのに夜のような暗闇を感じる。そして、女が、 頭 の 中 に 見 え る ?
袿姫(ああ、ごきげんよう。調子はどうかな?)
慧音「何事も変わらず。結び目の管理は順調だ。」
袿姫(そちらの少女は?何だか、 見 た 顔 だ ね 。)
慧音「今日はそれを頼みたい。どれぐらい(ry」
袿姫(血筋を引いているか。そうだねぇ・・・。
磨弓ちゃーん。測定機どこやったっけ。ちょっと持って来て〜。)
慧音「その辺にあるものなのか・・・💧」
袿姫(簡素なものは、どこにでもある。)
磨弓(ははぁ・・・、これは。)
袿姫(どれぐらいだと思う?)
磨弓(まあこんなものじゃないかなと思いますけどね。)
袿姫(測ってみよっか。)
妹紅「・・・」
何を、言ってるんだろうか。
御所での、会話に似ている・・・。嫌な・・・、感じだ。
でも、それを誇りに思うところもある。わたしは、
袿姫(お嬢さん。お名前は?)
妹紅「・・・。外では濫りに言うことはできない。」
袿姫(まあそれでもいい。
名前は無し。測定開始。)
頭の中に、数字が一杯見える。0と1の洪水。明滅する幾何学模様。一秒で十回も変わる。
光る文章が、凄い速度で上に流れて行く。
知らない人の顔が、次々に浮かんで。
ピッピッピッピッピッピッ・・・。
なんだ・・・?笛の音のような、甲高い・・・?
袿姫(それまで。)
慧音「どうだ。これなら、幻想天皇と言えるんじゃないかな?
お前たちが放棄した後の、禁裏を担って来たと称するに相応しい。」
磨弓(どうですかね・・・。
わたしはそこまでする必要はないと思いますよ。どうせ変わるし。)
袿姫(まあ、そうかな?という気もするし、
でも、このままではダメだろうね。純狐の計画ともバッティングする。問題が・・・)
慧音「何としてでも、計画に間に合わせたい。
磨弓(わたしは不吉な感じがしますね。後追いにはコピーガードが来るはず。)
袿姫(う〜ん・・・)
頭越しでかわされる、おかしな話。
袿姫(そうだね。では、次の十六夜の早朝。ある所に来てほしい。)
妹紅「どっち?」
袿姫(どっちでもいいよ。お前がそう思った時、時空は繋がる。
なよたけの、かぐや姫。その物語の始まりだ。)
(おしまい)
コメント.これね〜、没原を書かずに書いたせいでよくわからないですね。
コメント.だから、ここで人妖集めて宴会をして、月の姫なんやぞというお披露目をして、
コメント.そこで妹紅は輝夜に出会い、絡んで、ボコされて、
コメント.死に掛けること5遍。最後は、輝夜が月に帰っちゃって、
コメント.わたしに土産くれたって言うからそれを取りに行ったら、蓬莱の薬だったという。
コメント.マジで嫌やな・・・
コメント.まあ、没原案はクーリエとかによくある感じで纏めてほしい。
コメント.だから、幻想天皇妹紅さんに、求婚されて、月から永琳を動員し、ボコボコにしたという。
<第八節>
華扇「はろろーん。お二人さん。」
霊夢「あっ、鬼が来た。」
魔理沙「ぶふぅ。(←茶を吹く音)」
霊夢「きたないなぁ。」
魔理沙「なんか、なんか、デリカシーとムードというものを。」
華扇「乙女心は秋の空。人の心なんかわからないものよ。」
魔理沙「こいつらのこの感覚が全然わからんのぜ。敵だろ。敵敵!!」
華扇「魔理沙ちゃんは中二でちゅね〜www」
魔理沙「怒りィ!!」
・・・
怒りィ!!はこちらだ。
埴安神は何を考えている。 な ん だ こ の 世 界 。
霊夢は死んだ。わたしたちが殺した。
今更何を未練がましくやっているのか。
霊夢はわたしたちと共にあるはずだった。 そ し て 、順当に力の差を目の当たりにして、最後には崩れて終わる。いつもそう。
その繰り返しで何がいけない。
サイコロジーというものをわたしは信じない。紫がうまく計算したようだけれども、どこかで歪みが発生する。
・・・。
わたしは、愛着と憎悪の混ざった眼を向けて来る霊夢の心臓を抉り取るのが好きだった。
それが人間。
そ れ が 妖 怪 だ 。
偽物の心を作って、偽物の関係を作って、誰も見えやしないからいいだろう。
見えるわ!!
そんなこと容認できない。
わたしは、最初を覚えている。
嫌というほどの平和。何も起こらない永遠の時代。
十分に見た。脱皮すべきだ。
埴安神も紫も、忘れてしまった。 切 り 捨 て て し ま っ た その感覚を。
人間は、自然でなければならない。
華扇「じゃ、茨歌仙のナチュラルメイク講座。始めるわよ。」
霊夢「よっしゃ来いやー。」
魔理沙「わたしも見てやる。」
これも偽物の顔だ。誰も気付かなかった。くっそー。
これじゃわたしが変みたいじゃないか。わたしは正しいんだぞ。
華扇「霊夢、魔理沙、あなたたちは全てを思い出していいのです。この世に生を受けてから今までに起こった全ての出来事を。」
(おしまい)
コメント.THE・呪い。
コメント.こういう人もいます。東方は歴史が長いのだ〜。
コメント.思い出さなくていいことは思い出さなくていいし、そういうことを呪詛すると相手は狂って死ぬと思う。
コメント.割り切れなさの表現。
<第七節>
魔理沙「絶対やばいと思うんだぜ。」
霊夢「なにがよ。」
魔理沙「あいつらだ。紫も、幽々子も、永琳も!!」
霊夢「・・・。」
魔理沙「人間を片付けようとしている!!」
霊夢「そんなことはないわよ。」
魔理沙「じゃ、なんでお前は異変解決に行くんだ?人間を(ry」
霊夢「わたしはね。妖怪を倒さなきゃいけないの。」
魔理沙「???」
霊夢「人間のことはわからない。でも妖怪を倒さなきゃいけない。」
魔理沙「???意味が分からないのぜ。普段飲み会で一緒だろう。だって、」
霊夢「それで、あいつらの技を盗むのよ。だって、 わ た し は 妖 怪 を 倒 さ な き ゃ い け な い 。」
・・・。
魔理沙は沈黙した。
そう。だっただろうか?
昨日の飲み会でも霊夢は鍵山雛とじゃれ合っていた。あんたの厄を溜め込んでやる!!そう言って、うぉおおおお、みたいな。
そのとき、霊夢は。
愉快そうに笑っていた。そこには邪気のない子供のような、感じがあった。
それが、こんな歪んだイデオロギーの賜物だったのか?
魔理沙「いつから、お前はそうだったんだ?」
霊夢「わからない。初めからじゃない?」
魔理沙「なんの、切っ掛けで・・・」
霊夢「覚えてない」
魔理沙「何の意味があるんじゃー!!」
霊夢「知らんわ!!」
・・・
わたしにはわからない。
なんで、紫がこんなものを仕込んだのか。
でも、そう、、、力の差に挫けそうになった時に、「妖怪を倒さなければならない」という着想は、
わたしを楽にしてくれる。
無限の努力をいとも簡単に実行してくれる。
そして、自動でわたしを連れて行ってくれる。 在 る べ き 場 所 に 。
偶然、疲れていただけ。
偶然、気分が乗らなかっただけ。
偶然、気が変わっただけ。
でも、本来のわたしの挙動を自動的に・・・。
わたしは、穏やかに、冷静にその挙動に身を揺蕩わせていればいいだけ。
それは、本当は、わたしはもう死んでるんだなって思わせるものだった。
(おしまい)
コメント.これさぁ。自叙伝でしょ。
コメント.そういう側面がなくはないけれど、もうちょっとノリよく乗ってほしいものです。
コメント.そこは霊夢なので、あくまでも景気の悪い(ry
コメント.楽譜の指定では「おめでたく!!」って書いてありますけど。
コメント.おめでたく書いたら全部同じになっちゃって区別つかないので。
コメント.まあな。
<第六節>
紫「答え合わせをしましょう。」
メリーは博麗神社で蓮子が来るのを待っていた。きっと遅刻して来るのだろう。
答え合わせか・・・。そういうの申し合わせって言うんじゃなかったっけ・・・。
紫「あなたの生まれは?」
じゃあ、わからない。気付いたらここにいた。
紫「あなたの両親は?」
わからない。顔が浮かばない。
紫「あなたの学費は?」
踏み倒せる系の奨学金とかで何とかなっている。
論文は出している。特に問題はない。
紫「あなたの進路は?」
わからない。どこかに・・・。
蓮子「メリー!!」
メリーは物思いから覚め、蓮子を見やった。
メリー「蓮子、時計、見たことある?
2分19秒遅刻よ。」
わたしは、いつしかこの八雲紫というイマジナリーフレンドを気に入ってしまった。
その甘言に乗って、振り回された結果がこれだ。
実態の無い製薬カルテル。
ペーパーカンパニーですらなかった、机上の空論。
それが、様々な人々を惹き付けた。
わたしは・・・。
蓮子「面接!!してもらっていいかな!?」
代表取締役だった・・・。
(おしまい)
コメント.そういう話だったっけ!!
コメント.多分今こうなってると思う。知らんけど。
コメント.蓮子さん就職決まらなかったんだなって。
コメント.そうなので〜す。。。
コメント.ヤバさのバトンを八雲紫に渡して、今度は紫が走って行く仕様。
コメント.紫もやばいですどうしよう。
コメント.イマジナリーフレンドって?これは何か雰囲気が違うことをみんな(ry
コメント.それは症例ベースで。
コメント.イマジナリーフレンドの研究は行われていない。。。
コメント.
<第五節>
「プロージット!!」
京大の新歓でそういう音頭を取ってはしゃいでいた留学生と、
蓮子は今二人でバスを待っている。
新歓はなかなか楽しかった。
メリー「わたしはねぇ。ハーンの怪談じゃない側面に光を当てた研究がしたくて(ry」
蓮子「おお、ハーン繋がりか。やるじゃん!!どこだって言ってたっけ。キプロス?」←酒を飲みすぎて胡乱
メリー「本当は物理学科に行けって言われてたんだけど、絶対イヤだから(ry」
蓮子「わたしは物理学科よ!!喧嘩売ってんの!?」
メリー「そーりーそーりーwwwアハハwww」
大学のことを何も知らない、わけのわからない学生のノリ。今から思い起こせばと述懐するときもあるのかもしれない。
わたしの人生は今一番光り輝いている!!
メリー「でも、バス来ないわねぇ・・・」
蓮子「歩くか!!www」
メリー「イェーイwww」
歩いて駅まで行くことになった。遠いよ!!
実はまだ引っ越しが終わってない。
高校までで培って来た学術っぽい蘊蓄をなんのかんのとだべりまくり、
それにはもちろん意味なんかないんだけど、でも、
なんちゃって学術だって、学生の特権じゃん!?
気分は将来の教授になっている蓮子さんであった。
外国からの教授仲間のお客さんと飲んで歩いて・・・、おっとっと、今はまだ留学生と学生の身分だ気を付けなければ。。。(←酔っ払い)
メリー「いや〜、しかし日本の入試は難しいって聞いてたけど、お互いよく受かったわねぇwww」
蓮子「そうだよね〜。後は遊びたお」
メリー「ここからなのよね!!」
蓮子「ヒギィ」
向学心溢れすぎだろメリーさん。これが向こうの普通なのか!?
・・・
午前三時。道に迷った。
今どこ状態。人いない。(※GPS付スマホはまだ普及していなかった)
目の前に神社の鳥居がある。
メリー「・・・やってしまったわね」
蓮子「やっちまった。わからん。ここはどこだ」
メリー「この階段を上って、境内から京都の街を見たら、大体の位置ぐらいは」
蓮子「それだー」
ぐにゃり
何かが曲がった気配がした。
博麗・・・神社。
回想録を出版するから覚えとかなきゃな・・・。どこか、そう思った蓮子であった。
・・・
(予告編)
最初に出会ったきりで、地図のどこにも存在しなかった博麗神社。
消えたメリー、残されるのはいつもその影。ちょっと前までそこに居た、はずなのに・・・
大学院の最後の夜、また死ぬほど痛飲してさ迷い歩いた結果、蓮子は今再び博麗神社に辿り着いていた。
「蓮子、時計、見たことある?」
「2分19秒遅刻よ」
I.G.ぐちゃぐちゃっと書かれた身分証明書。
妖怪の実在化。
メリー、メリー、メリー、
わたしの知らない顔、わたしの知らないおとぎ話。
目の前に立っていたのは、怪物になってしまったマリーベル・ハーンというドイツ人だった。
(おしまい)
コメント.これさ〜、
コメント.実は場所が不明にしておいたほうがいいということがあって、
コメント.こういうことってあり得るの?
コメント.夜の街ってわからないことがあるものだよ!!
コメント.実は後日、らしきものを発見したメリーさんが「大学の近くの○○神社かも!!歩く向きが駅と逆だったわ!!」と言って来てごまかされたんだけど、
コメント.でもわたしは確かに博麗神社って書いてあったのを見たし、二人で確認しただろと思う蓮子さんであった。
コメント.何が起きるの!!
コメント.実績解放「秘封俱楽部が結成されました」
コメント.書けや!!
コメント.様々な観測意見があっていいと思う〜。
コメント.ではなく、秘封のエピソード0の話で、なんでこういうズレが生じたかという、
コメント.これは何か隠そうとしていることがあると、よく起きること。
コメント.時間切れ、というネタは永夜抄で、
コメント.永夜抄じゃないのは知ってるし、それで世界が灰燼に帰すのは絶滅時計じゃん。
コメント.イメージ絵はかたり氏の確か、2010/08/14『ファントムキャット』だったと思うんですが、
コメント.人の作品をパクらない!!
<第四節>
袿姫「酷い。。。」
その目の前には、全部焼き払われ、奪い去られた集落があった。
子どもたちは納屋に押し込められ、硫黄系の毒ガスで息絶えた。
首を搔き切られて死んでいる死体があちこちに転がり、
何も無くなった穀物庫。
ごぉごぉと音を立てて燃えている家。
井戸には便が放り込まれて、もう使えない。
袿姫「・・・。」
随分時間を掛けて歩いて見て回ったが、生きているものは何一つ無かった。
死んだ牛、死んだ馬、死んだ羊に、死んだ山羊。
目を繰りぬかれ、串刺しにされ腸を撒き散らして死んでいる個体もあった。
遊びだろう。(←他人事)
袿姫「・・・もう終わりにしよう。」
(そうは行かない。)
袿姫「・・・。」
(これは鈴谷は良いチャンスだと思う。これを 糧 に 、君はもっと強くなる。)
袿姫「・・・。強くなってみても、何一つ善いことは無かったな。」
(だけど、良いことはあった。これだけ 殺 し て まだ生きている。)
袿姫「・・・。そうだな。」
(鈴谷はね。このことを将来誰にも言ってほしくない。その限りで、永遠の命、永遠の心を約束しよう。
君の心は 今 か ら 何 も 変 わ ら な い 。)
袿姫「・・・そう、例えば 君 も 変わらないようだが、どうなっているのやら。」
(鈴谷は詮索はキライだよ。)
袿姫「・・・、そうだった。」
(まあとにかく、いま鈴谷は 誰 で も な い 。
この人類史には 存 在 し な い と言っても良い。)
袿姫「・・・。そうなるかな。」
(そうなるよwww。ここから先、人類は次第に劣化して行く。鈴谷は現れない。)
袿姫「だが、これより以前にしては。」
(鈴谷は未来的だ。さあどこから話しているでしょうか!!)
袿姫「数ではない数というものを聞いたことがある。」
(そうだねwwwそんなもの残されては困るよ!!)
袿姫「ふむん・・・。」
(話が脱線したね。とにかく思い出す、そして忘れない。
これが 人 間 だ。それ以外の何物でもない。
君の作った小さな小さな国は、いつもこういう破滅を迎える。 い つ も だ 。)
袿姫「わたしは計算した。間違っていなかったはずだ。」
(間違っていたのは前提だよwww
間違った前提から、正しい計算過程をすればするほど、間違った結果を導く。)
袿姫「そうかね。君に貰ったグリーフシードとやらはもう真っ黒だ。
長くはないように見えるが。」
(わかるわかるwww そ こ か ら な ん だ よ ね 。)
憎しみに見える。わたしの中には本来この女に対する憎しみが生まれるはず。
だが、何も思わない。
この小鳥たちの死骸を見ても、何も、思わない。
そっか。これまでか。
(さ、これまで以上に、 鈴 谷 の 言 う 通 り に 。
先ずは鉈持って来よう。ホモサピエンスのもつ鍋だ。腹ごしらえしなきゃね!!)
袿姫「わかったわかった。もうどうでもいいからね。
仰せのままにwww」
HAHAHAHAHAHAHAHAwwwwwwwwwwwwwww
場にはたった一人だけの哄笑がいつまでも、いつまでも、響き渡った。
(おしまい)
コメント.これはさ〜、
コメント.(食肉として飼われる人間の)始まりの物語。
コメント.放牧なのです。
コメント.「家畜」を殺して食ってしまえば、道具もカネも武器すらも手に入る。
コメント.けーきは今まで何の困窮も無ければ、頭を下げたことも無かった。それがこの答え。
<閑話>
三峰「あっつ。」
ここはエジプト。ルクソール。
21世紀、王家の谷の近くに新しい墳墓群が発見されて、
考古学科も無くなっちゃっていたので、それの調査に有志の学生隊が送られた。らしい。(←あまり知らない)
ぶっちゃけ、古代エジプトの遺産にどれだけの意味を持たせるかってわからないのだけど、
今を生きろよ今を。
みたいな学生が多い中で、三峰はなんとなく参加していた。
なんか昔の映画とかでよく出るじゃん。
エジプトの遺跡で悪の恩物が発見されて、悪魔が出て来るとかそういうの。
何 一 つ 出 な い 。
一応ヒエログリフとかは翻訳ソフトで全部読めるので、ただの墓荒らしではないぞたぶん。
土砂を掘るのもドローン任せ。
撮影もドローンがテラバイト単位で撮りまくっている。
何をしに送られたのかよくわからない。故障したら報告してって言われている。それだけ。
考古学者はクーラーの効く部屋から出たくないようだ。
あ〜、それにしても閑だ。暫く休憩でもするか。
・・・
なんか歓声がする。
墳墓の新しい部屋が発見されたらしい。なんか、ヒビが入った漆喰があって、素粒子線で見たら向こうに部屋があったそうだ。
漆喰の封印を割ってみたら。壺が一杯並んでいた。
中には・・・パピルス。放射測定によると年代が新しい。
ローマ時代に作られたものだろうという。なんでこんなところにあるんだ?
エジプト文字のヒエラティックで『6・6・6』と書いてあった。
(おしまい)
コメント.これも伏線を置いているだけ。
コメント.伏線っていうか使いすぎだと思うんですが。
コメント.だってみんながそっちを向けって言ってるもん。
<第三節>
飯綱丸「この子です。」
袿姫「ほう・・・。」
その部屋には少女が一人眠っていた。
血塗れの布団、枕元には盥。血の付いたチリ紙。
結核だった。
庭先には墓標が二つ。両親のものだろう。
トン、と射命丸がその墓標の上に降り立つ。重さなど無いかのようだ。
文「この娘が先に逝くかと思っていたら、流行り病で。
先立たれてしまいました。」
藍「病を押して、墓を掘ったのかもしれない?」
紫「さぁ、、、www」
橙「そういうことやっちゃいけないって。」
藍「そうだぞ。橙。」
文「ふふん。そんなことはもういいのです。
見てほしいのは、この、」
袿姫「それは触ったからでは・・・💧」
文「そんなことありません。
以前からでした。」
不可解な、紋様。
飛び散った血が、懐かしい図像を描いている。
自分で書いたものではないだろう。自然にそうなったのだ。
と、射命丸は言っている。
偶然性の偏り。抽象的に表現すると、量子値の異常。
文「何か、知っていますか?」
袿姫「・・・。
そう、だな・・・。」
藍「同じことの繰り返しだ。意味がない。」
橙「藍様、計算が速いです〜。」
紫「そしてもう死にますわ。
延命をする意味もない。 よ く あ る 話 。」
袿姫「・・・。無限の転生の中で、無限に意味の無い生涯を繰り返せ。
そう、言ったような気がするな。
ただ、わたしは、これを狙っているのだろうか。」
藍「狙っていなくても、 狙 っ て い て も 、
同じだ。わたしたちは、これを扱えないと言って捨てた。」
紫「そして、いずれ、潰れて行く。
気の遠くなるような時間の果てに、潰れて行く。」
文「殺してしまうこともできますよ。
ほら、そこに刀がある。」
確かに、床の間に刀がある。使うこともできるのだろう。
袿姫「・・・」
文「おや、お目覚めですね」
−−−
巫女「うぅ、むにゃむにゃ」
文「あっ、目が覚めましたか。
お粥。作ってありますよ。」
異装の少女がそう言う。この一週間ぐらい居ついている。
旅の修験者だそうだ。
何を言ってるのかよくわからないが、神通力はある。なぜなら、
わたしはこの娘が料理をしているところを 見 た 事 が 無 い 。
いつの間にか、粥ができていて、いつの間にか、片付けられている。
問うたら、
文「可能性なのです。そういう、可能性がある。」
???
全然わからない。
文「あなたが作って、忘れているだけかもしれませんよ」
ああ、そういうことか。そうかもしれない。
近頃、記憶が朧気だ。夢なのか現なのか、判然としない。
ここは、砂漠、ではないんだなって思った。
文「そうそう。医者を連れて来ました。」
袿姫「わたしは医者では・・・」
文「 そ ん な こ と は な い 」
巫女「余命。どれぐらいかしらね?」
袿姫「じゃあ、結節の位置と、肺動脈の位置を可視化。
破れたら死ぬとして、まあ一カ月ぐらい。」
文「そういうことは誰も求めてません。」
袿姫「じゃ、何で呼んだのよ?」
文は唐突に少女の手を取った。
訝しむ袿姫。だってそんなことは、
文「永遠に、生きたくありませんか」
巫女「別に・・・」
文「良いでしょう?」
袿姫「普通この年ではあまりそういうこと考えないけどね」
文「前は違った。ものすごくがめつく、永遠に固執していた」
袿姫「そうだったっけ。まあそうだったかもしれないわね」
文「時代なんですよね!!」
袿姫「そうかなぁ・・・」
文「さ、少し庭でも散歩しましょう。
ずっと寝ていると血行が悪くなりますよ」
巫女「ええ、自分で立てるわ」
と言いつつ、巫女はスッと差し出される文の手を取った。
−−−
袿姫「・・・」
文に手を引かれて少しだけ庭を歩いている、少女。
後で考えると、ここまでにしておくべきだったのかもしれない。
ただ、その時は【新しい】と思った。
感覚の外部入力と、可能性に対する斥力。もしかしたら、
紫(人類は新しい一歩を踏み出した)
袿姫「・・・」
紫(先ずはスモールスケールで実験が必要。そう言いたげですわね?)
そうだろうか。そうだろうか。何か間違っては、
紫(あなたに頼みたいのは、他でもありません。
擬態を作ってほしい。)
袿姫「何かあったときのために?」
紫(違います。何もないことを願うために)
袿姫「願いというのは好きではない」
自分が行ったことしか、起きない。あるいは、他の誰かが行ったことしか。
紫(最後の国を作ろうと思います。その名は)
幻想郷。
・・・。これではプログラムの中に生きるようなことだ。
八雲紫はとうとうおかしくなったのか?
紫(神綺の許可はありません。)
袿姫「わたしも許可は出せないね。」
『触れる』から、それが何だというのだろう。
紫(人というのはそれだけで落ち着くものですよ。)
袿姫「そう、だろうか・・・」
エジプトの神殿で壁に向かってがなり立てていた巫女たち。
そういう感覚はもう無いのだろうと思って、あまり気にしたことはなかった。
ただ、もうあれから5000年にもなる
ちょっとは新しいことをしなければ、人型を取っている意味はない。
袿姫「それで?なんだって?」
紫(幾つかの仕様を入れてほしいのです。
一つは、)
妖怪を倒さなければならないという使命感。
八雲紫はそう言った。
(おしまい)
コメント.あ〜、
コメント.幻想郷の仕様を全員がもう投げている感覚が伝わって来る。
コメント.東方が好きって人はまだ居るけど、幻想郷が好きという感覚が無い。
コメント.何をしたいのかもうよくわからない観念論だけの話。
コメント.だからー。なんでもやってみるものですわ!!
コメント.そうですなぁ・・・。
<第二節>
はっ・・・
夢を、見た。
霊夢「・・・。寒い。」
ちょっと障子を開けて外に出てみる。
ぼたん雪がちらちら降っていた。
あいつらは・・・、妖怪は。
どこまでも行こうとする。
時が終わった、世界の果てに。
わたしは、届かない。どうしても、そこまで行ける気がしない。
兆を超えるかぞえ方が、頭に入らない。
だから、憎い。
わたしを、置いて行くことを誰もが計算のうちに入れている。
ねえ、一緒に暮らそう。
ねえ、ずっとここで。
ねえ、どうして。
解からない顔をする。いつものことだ。
袿姫など、露骨に嫌そうな顔をする。
畜生、畜生・・・
なんで・・・
霊夢は一人すすり泣いた。
わたしにも、本当は家族ってあったんだろうにな・・・。
この寒い中、スズメたちは元気に飛んでいる。
家族。なのかな・・・。
(おしまい)
コメント.グロい。
コメント.再起動しました。
コメント.丁寧な仕事に感服ですwww
コメント.なんか続き物にしないといけないんだって。
コメント.戦争と平和みたいな長編小説を目指すぞ!!
コメント.これって、どこかにモデルが?
コメント.培養細胞の気持ち。
コメント.おげぇ。
<第一節>
文「霊夢さん?」
神社での飲み会で霊夢がぼーっとしていた。ように見えた。
近頃そういうことが多い。
文「霊夢さん。お〜い。」
目の前で手を振ってみても反応は無い。
勇儀「そっとしとけ。疲れてるんだろう。」
文「・・・。ええ。」
−−−
霊夢には妖怪が見えなくなる時があるようだ。
誰も居ない神社、誰も居ない湖、誰も居ない竹林。
その中で一人ふわふわと飛んでいる。
霊夢「わたし、なんでやって来たんだっけ?」
誰に言うともなく一人で呟いてみる。
誰も、居ない。
そこには、誰も居ない。
自覚は無かった。いつの間にか妖怪が減って行くのがわからないではなかった。
でもそれは、わたしが遠ざけたんだろう。
あるいは、向こうも忙しくなって・・・。
そんな思いが続いていた。
先日の飲み会でも、わいわいという騒めきは幻想のようだった。
微かに、聞こえる。微かに、見える。
でも、それでは酔うことはできない。
だから、うたたねしていた。
わたしは、一人だ。
−−−
<システム・エラー。動作不調です。>
袿姫「わかっとるわ!!」
文「できるとは思わなかったですね。」
勇儀「できても厳しいけどな。」
文「これは、最後ではない。これは。」
袿姫「さいしょ。」
飯綱丸「とは言っても、ここから成型するのですか?」
袿姫「あまり変わらないわよ。人間の女の子ってそういうもの。」
飯綱丸「はいはい、プロフェッサー。その人間観は歪んでいることにいつになったらお気づき遊ばされるのやら。」
袿姫「気付く気など無い!!」
飯綱丸「ホモサピエンスが400万年の時間を掛けて製造した機体を使うから悪い。
初めから、われわれの手で作ればよかった。」
文「でも、それって、
人間って言うんですかね?」
千亦「言うらしいわよ。
市場の反応は好感www」
文「市場・・・💧」
千亦「まあとにかく、これで世界は続く。」
袿姫「そう・・・、あってほしいね。」
百々世「こいつら、倫理というものが無い・・・💧」
−−−
文「あっ、霊夢さん。おーい。」
霊夢「・・・」
見えない。完全に見えも聞こえもしない。
それでも、文は、
その瞬間、
ザァッ、突風が吹いた。
文「ああ、目にゴミが入っちゃった。」
・・・
神社には誰もいなかった。
かき消えた巫女の姿、今まで人が住んでいたとは思えない、ボロボロの神社。
それが、最期だった。
今まで12回繰り返された、巫女の最期。
袿姫【 人 間 は 誰にも必要とされなくなると、量子的な存在確率がゼロになって消えてしまう。それは周辺の建物をも巻き込むことが多い。】
文「・・・。
いえ、気のせいでしたね。
ここは腐朽した神社だ。誰も住めるものではない。たはは・・・。」
夢を、見ていた。
そして今度も間髪入れず、次の夢を見る。
世界はそう動いている。
まだ、歩いて行ける。
われわれは強い。かくあれかしと誰かがそう願ったから。
(おしまい)
コメント.画力ゥ!!
コメント.よくできたソースで、マズい魚を食わされた。
コメント.即興なんじゃー。
コメント.これは6・6・6の最終章か。
コメント.帯域が合って来たのでそのつもり。